LaTeXにはLaTeXの環境内で図を書く環境が提供されていますが, 実際には他のソフトウェアで作成した図をLaTeXで作った文書内に張り込むのが一般的 です.ここではepsboxというスタイルオプションを使うことによって可能な,epsfile (Encapsulated PostScript File)の取り込みについて説明します.

Glibで出力した画像をepsfileに変換する方法

準備

図を張り込むためにepsboxをスタイルオプションに指定します.
\documentstyle[epsbox]{jarticle}

LaTeX2e では graphics パッケージを使います.パッケージの利用宣言には,\usepackage コマンドを使います.

\documentclass{jarticle} % \documentclass のところはそのまま
\usepackage[dvips]{graphics}

図の張り込み

図を張り込みたい位置で,以下のようにするとepsfileを文書中に挿入できます.
\epsfile{file=ファイル名,scale=スケール}

LaTeX2e では以下のようにします.

\includegraphics{ファイル名}
LaTeX2e で図の大きさを変更するには,
\scalebox{倍率}{大きさを変えるもの}
または,
\resizebox{横の長さ}{縦の長さ}{大きさを変えるもの}

図番号と表示位置

上記のようにすれば,確かに図は出力されるのですが,図の番号や題名は表示されま せん.また,図の表示される位置がページやカラムの位置にかかってしまうと,うま く表示できません.図の番号や表題を表示したり,表示位置を自動管理するには figure環境を利用します.

\begin{figure}[tb]            %% figure環境内で図を表示することにより,
                              %% 図番号,表示位置を自動的に管理できます.

\begin{center}                %% 図をカラムの中心に表示する.
\epsfile{file=sample.eps}   %% 図の取り込み
% \includegraphics{sample.ps} %% for LaTeX2e
\caption{図のサンプル}        %% 図の題名を書きます.図の題名は図の下に書く.
\label{sample-fig}            %% 図番号の参照のためにラベルを付けます.
\end{center}
\end{figure}

図\ref{sample-fig}は図の表示の例を示しています.
%% \ref{} を使って,図番号を参照します.

ソースを読めばわかるとおり,figure環境の利用法は table環境とほとんど同じです. figure環境とtable環境の違いは管理する図,表の番号が別だということだけです.

なお表の場合と同じく,二段組の文書で図を二段にまたがって表示させたい場合には,\begin{figure*}..\end{figure*}を使います.


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